- 現在の戸建住宅が樹脂サッシ(=樹脂窓)を使用している
- そのガラスはLow-Eではないペアガラスを使っている
実はペアガラス→Low-Eペアガラスに交換するだけで断熱性能がかなり上がります。
ペアガラス | Low-Eペアガラス | |
---|---|---|
Low-E金属膜 | 無し | 有り |
熱貫流率W/(㎡・K) | 2.9 | 1.6~1.7(アルゴン有り1.3) |
見た目はガラスの反射の色が変わる程度ですが、結露の軽減や外からの寒さが緩和されますよ。
- 内窓を付けたいが、全部が内窓になるのは嫌だ(使い勝手・スペースの問題)
- 外窓交換(カバー工法等)を考えたが、見積もりの金額が高くて驚いた
全部を内窓リフォームすることが、断熱性やコストパフォーマンス的には良いのですが、夫婦間など家族でも考えが異なる場合もあります。
窓リフォームの際、樹脂窓の我が家でも内窓ではなくガラス交換にした箇所があります。
- 物の出し入れが頻繁なキッチンの出窓
- 内窓を付けると動線の邪魔になるトイレと脱衣所の小窓
- 階段の上部にあるために内窓を付ける場合は作業がしにくい採光窓(1Fの屋根から簡単にガラス交換はできる)
せっかくリフォームするなら家族が満足できる内容にしたいですよね
「ガラスの交換って大変じゃないの?」という疑問もあるかと思いますが、時間的には内窓を付けるのと大差はありません。
内窓が邪魔な箇所にはガラス交換の検討はいかがでしょうか?
また、既存の内窓のペアガラスをLow-Eペアガラスにすることも可能で、実際に交換してみたのであわせてご覧ください。
樹脂サッシのガラス交換の作業内容はコチラの成田工務店さんの動画が3分で見れとてもわかりやすいですよ↓↓
現在のサッシの種類とガラスの確認方法
樹脂窓を解説した記事でも紹介しましたが、サッシ部分に温かいものや冷たいものをしばらくつけてみて
- 温度変化なし→樹脂
- 温度変化あり→アルミ
となります。
現在のガラスの確認方法はLow-Eガラスの記事にも詳しく書きましたが、ガラス右下に刻印されていることが多いLow-E刻印の有無を確認します。
築年数の経過したサッシは樹脂でもガラスがLow-Eではない場合、交換することにより断熱性がUPしますよ!
ガラス交換の手順
FIX窓やすべり出し窓では、まずは画像矢印先にある細長い押さえを縦横計4箇所外していました。現在築36年目と年季が入っているので固着して外す際に欠ける場合もあるようです。
欠けた際にはリカバリーする方法があるようで失礼ながら壊れる期待をしていたのですが、熟練の技で割れ欠けなく外れました。
押さえを外すのが作業全体でみると時間がかかる感じです。ほんの少しの隙間に道具を入れて見事に外していましたよ。
その後新たなガラスをはめ込み、外した押さえを取り付けてガラスを綺麗に拭いて作業は完了です。
ガラス交換後に内窓の設置(ふかし枠なし)もしたのですが、同じ大きさのものであれば同じくらいの作業時間だと感じました。
既存の内窓のガラス交換も可能
あまりアナウンスされていませんが、実は現在の窓が二重窓である場合の、内窓もしくは外窓のガラス交換にも先進的窓リノベ事業など補助事業の対象となります。
我が家は寝室が二重窓(内窓はプラマードU)ですが、両方ともにLow-Eなしのペアガラスでしたので、良い機会だと思い内窓をLow-Eタイプに変更することに。
元々は一度工場に持ち帰ってという話でしたが、職人さんがこれなら車内でガラス交換できるよということで1枚15分もかからずに内窓のガラスをチェンジしてくれました。
寒い季節になってきて、いくぶん以前より窓のあたりの温度が変わったかもしれません。
気のせいかもしれませんが(笑)。これでもまだ寒さが気になるようであれば、第3種換気の吸気口か、天井(ここは上階がない)や床の断熱を見直すかとなってきます。
アルゴンガス入り樹脂スペーサーがおすすめ
スペーサーの断熱性能を上げることは窓全体の性能向上につながりますが、それ以上に結露を防ぐという面で大きな意味を持ちます。
スペーサーとはなんぞやということですが、ペアガラスには中空層があってそこに乾燥空気やガスを入れて断熱性を上げているのですが、その一番端っこの部分になります。
スペーサーには「アルミ製」と「樹脂製」があります。
スペーサーがアルミ製だと樹脂製に比べると端部の熱が逃げやすく、結露も発生しやすいそうです。
樹脂スペーサーの特徴はこちらのAGCデューカットⅡSの情報がわかりやすいです。
以前にDIYでインプラスを付けた時はスペーサーに仕様があることを知らなかったので端っこはアルミでもなんとも思っていなかったのですが、後から知りました。
その際にLIXILのお客様相談室に聞いてみたところ、インプラスの完成品(カタログモデル)には樹脂スペーサー仕様の設定がないとのこと……なぜ?。改善してほしいものです!!
※インプラスで樹脂スペーサーを希望する場合は工務店さんやガラス屋さんに枠とガラスを別々で頼んでもらって、それを組み立ててもらう流れとなります。
防火窓が必須の準防火地域での外窓交換やガラス交換の場合、アルミスペーサーになりますが、シャッターを付けられるタイプの窓は樹脂スペーサーも使えるようですよ。
↑もっと詳しく知りたいかたは「ちょうどいい塩梅の家づくりBE ENOUGH」様の記事で解説されていますのでご覧ください。
内窓のスペーサーに関しては防火地域は関係ありませんので断熱性能が良いものを選ぶべきですね。
アルゴンガスは見積もりの時点で乾燥空気との値段の差を業者さんに聞いた方が良いです。
ガラスの大きさで違いますが思ったよりも安かったという声が多いですよ。
まとめ
現在樹脂サッシ&ペアガラスの場合、ガラスをLow-Eガラスに交換することで断熱性を上げることができる!という記事でした。
YKK APのかんたんマドリモのカタログには1990年代の当社樹脂窓の熱貫流率が2.6W/(㎡・K)と記載されています。
- ペアガラスの熱貫流率が2.9W/(㎡・K)
- 樹脂窓のフレーム部分の熱貫流率は下表の樹脂フレームより若干悪いかと
サッシ | 片引き窓 (腰窓) | 片引き窓 (テラス) | 開き窓 | FIX窓 |
---|---|---|---|---|
アルミ | 7.74 | 7.74 | 6.88 | 8.11 |
アルミ樹脂複合A | 4.3 | 4.7 | 3.64 | 2.99 |
樹脂C (APW330) | 1.96 | 2.69 | 1.46 | 1.33 |
樹脂E (プラマードU | 2.26 | 2.27 | 1.64 | 1.35 |
出所:最高の断熱・エコハウスをつくる方法 令和の大改訂版 西方 里見
フレーム部分は変わらない&経年劣化を考えても、
ペアガラスのガラス部分を例えばLow-Eクリアやグリーンのアルゴンガス入り1.3W/(㎡・K)に交換することにより窓全体でそこそこの断熱性を得られると思います。
可動部が劣化しやすく気密性に劣る「引き違い窓」よりも「FIX窓」や「すべり出し窓」の方が効果を体感しやすいかもしれませんね。
最後までご覧頂き、ありがとうございました