いよいよ「先進的窓リノベ2024事業」が始まりました。昨年度は内窓が大人気すぎて大幅な製造の遅延など業界は混乱を極めました。
私も内窓を発信し続けていくうちにX(旧Twitter)で業者さんと仲良くなれたり、たまに質問を読者様から頂いたりとブログを始めて良かったなと感じております。
そこでこのたび先進的窓リノベ事業のアンケートを実際にとりました。内容は多くはないですが、消費者側にも事業者側にも役立てたらと自分なりに考えました。
誰もが多くの不安を抱えたままリフォームを始めたくはありません。少しでもアンケート内容が参考になれば幸いです。
- 先進的窓リノベの大規模なアンケートは2024年から実施されるため
- 施工店がアンケートをしたらお客が気を使って本心が言えないかも
- 1個人だと中立的な立場で偏ることなく結果を伝えられる
アンケートの前提条件
- 住まいが戸建てかマンションの持ち家で大家ではないかた
- 実際に2023年の「先進的窓リノベ事業」を使った20歳〜80歳まで
この条件で回答された日本全国を対象に調査しました。
アンケートサイトはFreeasyを使用。事前調査でスクリーニングをし、対象者を絞り込み→本調査を実施。
238人(戸建て180人・マンション58人)から回答を頂きました。
- セルフ型のアンケートツールで回収が早く料金が安い
- 定期的に不適切回答候補者をブラックリスト化
- 必要に応じ無料でオンライン相談(1時間程度)ができる
※追加費用でデータクリーニングオプションもあるが、本調査費用よりも料金が高かったため今回選んでいません→1〜2割程度不適切な回答があるかもとのことでした。
セルフ型ではないアンケートは費用がもっとかかります
回答者の年齢
回答者の年齢は「30代」と「40代」がちょうど半数でした。
- 実際に持ち家を購入してから年数が経っている
- ネットリテラシーが高く情報に敏感
という年齢層が2023年の先進的窓リノベ事業を利用したことがうかがえます。
回答者の世帯年収
回答者の世帯年収が「1000万円以上」が約4割で非常に驚きました。
ある程度貯蓄に余裕がある世帯が利用したことがわかります。支出に敏感なお金持ちの世帯が利用したということは先進的窓リノベ事業はお得な制度と断言して良いでしょう。
内窓のメーカー選びの調査
内窓設置はしていない(外窓交換のみをされた)は4.2%と非常に少ないです。
意外だったのが三協アルミを選んだ回答が多く、回答者の地域属性(関東48.7%)が関係していたのか?X(旧Twitter)でアンケートをした内容と比率的に異なる結果となりました。
最近内窓を付けた人に質問です!
— まさかまさお@内窓ブロガー (@inner_window) March 12, 2023
どのメーカーにしましたか?
宜しくお願いします🙇♂️
↑昨年3月のXのアンケートではインプラスとプラマードUが回答の大半でした。
【アンケートご協力のお願い】
— まさかまさお@内窓ブロガー (@inner_window) March 19, 2024
昨年の先進的窓リノベ事業で「内窓」の設置をされたかた、良ければメーカーを教えてください🙇
シェアが思ってたのと違うかもしれなくて…
宜しくお願いします!
↑今年3月のアンケート、念の為メーカーの順番を入れ替えて質問をしました。
ただ、内窓のシェアとしては
- 1位 LIXIL
- 2位 YKK AP
の順番でほぼ間違いないでしょう(そうですよね?事務局さん)
【関連記事】インプラスとプラマードUの違い
窓リフォーム後の満足度調査
先進的窓リノベ事業を使い窓リフォームをした後の満足度の調査をしました。
- 断熱性
- 結露の改善
- 防音性
- 光熱費の改善
の4点について選んでもらいました。
「断熱性」と「結露の改善」は8割近くのかたが満足していますが、効果が思っていたほどでもなかったり不満があるかたも2割程度いるのが事実です。(選択のどちらでもないはあえて設置)
【関連記事】内窓で結露や温度差が改善した様子
「防音性」は7割以上が満足していますが、3割程度がどちらでもないや不満を選択しています。ガラス選定の際に業者側が十分な説明を行うことが望ましいでしょう。
「光熱費の改善」は7割弱が満足していますが、前年度との比較は料金ではなく使用量で行うべきなので(単価が変動するので)よくわからないかたもいるかもしれませんね。
ガス会社や電気会社のホームページから登録すると前年度との比較が見られるところもあり、ご自宅の光熱費の見直しにつながります。
先進的窓リノベの悩み関連の調査
先進的窓リノベ事業を使うにあたり大変だったことや困ったこと、悩んだことなどを教えてください。
この質問が最も重要で大変参考になる回答を多数頂きました
混雑や遅延・補助金の不安
- 申し込みが殺到して、補助金申請が通るか不安だった(神奈川県60代女性)
- 混んでいてなかなか見積もりに来てもらえなかった(神奈川県50代女性)
- 本当に補助金が出るのか心配でした(長野県30代男性)
- 注文が殺到して工事時期が遅れそうで、補助金が出ないかもしれないと言われた。断念することも考えたが、運に任せた。実際は補助金を使えてよかった(千葉県50代男性)
- 物がなかなか入らず、家のリフォームと同時に窓が交換出来なかったこと(山形県30代女性)
- 散らかった部屋を整理して工事できるようにしたこと、窓が入るまでの工事期間がやや長くかかったこと。補助金が出るまでにかなり月日がかかったこと(北海道70代男性)
2023年は内窓設置が大人気で一時期納期が3カ月程度かかる状態もありました。
すぐに予算は尽きるなどのあおり情報が錯綜し、途中早々に受付を停止するホームセンターなども出ましたが、結局予算は余りましたね。
今年は製造体制の見直しや強化も図られ、業者側も体制を整えて着手するでしょうから昨年同様の混乱はないかと思います。
早めに落ち着いて見積もりをお願いすれば慌てることもないでしょう。
予算についての不安
- 予算内で収めることができるのか不安だった(北海道30代女性)
- 金額が多額だったので ローンを組んだことが迷った(長崎県60代女性)
- 予算をどれぐらいにするか(東京都30代女性)
先進的窓リノベ事業の1番のメリットは補助額が5万円以上から使える点。
あまりアナウンスされませんが予算が少ないかたでも利用できるのがこの制度の最大のメリットともいえます。
事業者はサイズや箇所数でおおよその金額を可視化させ、不安を感じさせないような工夫が必要になってきます。(例:LIXIL 補助金シミュレーション)
日程の調整が大変
- 工事日の調整が大変だった(北海道40代男性)
- 日程を調節したり電話でのやりとりが大変だった(北海道20代女性)
現地調査や工事の日は在宅である必要があるため、日程の調整が不可欠です。
現地調査まで1カ月以上かかったという声もあり、早めに動くしかないのが現状です。
提出写真の不備
- 写真を提出したら、これではだめと言われたそうで、撮り直しに業者が来なければいけなくて、役人は杓子定規だからなあとうんざりした(神奈川県50代女性)
先進的窓リノベ事業の申請に必要な書類をまとめておきました!
— Mado Pro(マドプロ)【公式】 (@MadoPro_) March 6, 2024
ほとんど業者さんがやりますよ~
ただし!写真は本当に気をつけてください。
2023年にも補助金やったのですが、差し戻しのほとんどが写真関係です。
工事前は取り返しが効かないので念のため撮っておいてください。
恐ろしいです! pic.twitter.com/S1FkXyoTNA
申請の差し戻しの大半が「写真」のようです。
窓リフォーム後の不満
- 内窓設置により、既存の外窓のカギが非常に閉めにくくなった(京都府70代男性)
- ガラス戸が重くなったため開ける回数が減った(宮城県70代女性)
- 二重サッシだと開閉が面倒だと思った(京都府60代男性)
窓リフォームについて事業者はメリットばかりではなくデメリットもあらかじめ伝えておく必要があります。デメリットを知ることが工事後の満足度の差になりうるからです。
窓工事箇所についての悩み
- どの部屋に内窓を付けるか。すべての窓に設置しなくてもいいか(東京都40代男性)
- 一部の窓だけを交換して、家全体の断熱性がどれくらい上がるかがわからなかった(愛知県50代男性)
先進的窓リノベ事業は今後も継続して複数年にわたり行われることが予想されます。
- 1日の中で長く滞在する居間や寝室
- 寒暖差の激しい浴室や脱衣所
あたりで試しに数箇所工事してもらい、ご満足頂けたら翌年追加という流れでも良いかと思います。
マンションでの悩み
- マンションなので、皆の確認が大変だった(埼玉県50代女性)
- マンション全員にメリット説明し、了解得るのが大変だった(埼玉県30代男性)
- マンションの大規模工事が大変だった(埼玉県60代男性)
メーカー選びの悩み
- メーカーの選定(東京都60代女性)
- どのメーカーで工事をやればいいのか分からなかった (北海道60代男性)
- メーカーを何社も比較して、よりよいメーカーを探したが知識が無いので良く分からなく、迷った(京都府40代男性)
絶対にこのメーカーと決めているのでなければ、業者を先に選ぶことをおすすめします。
なぜなら業者はメインで扱うメーカーが決まっているため、値引率も変わってくるからです。
業者選びの悩み
- どこの業者を選ぶべきか迷ったこと(北海道40代男性)
- どこの業者にするべきか悩んだ(北海道40代女性)
- 業者の選定(広島県50代男性)
- 最初に業者を選ぶところが大変だった(兵庫県60代男性)
- どの業者に依頼するか迷ったが、工事費全額の支払い後に補助金が入ってくる業者と、あらかじめ補助金額を差し引いた額を支払い、不足が出た時点で支払うという業者があったので、後者を選んだ。 国の補助と東京都の補助、住んでいる自治体の補助があり、とても分かりにくかったが、業者の丁寧な説明で理解できた。結局、国の補助のみだった(東京都60代男性)
どの業者を選べば良いかがわからない、という回答が多かったです。
他との差別化を図るため、ホームページへ施工写真や自社の強みなど、お客さんにここにお願いしたいと思われるような戦略が必要になってきます。
満足度が高ければリピーターになってくれたり、紹介も期待できますね
窓リフォーム業者の選び方はこちらの記事で詳しく解説しました↓↓
まとめ:窓リノベのアンケートをとってみた感想
本格的なアンケートというものを初めてとりましたので、後からあれはこうすればよかったかな?など色々反省点もありました。
ただアンケートでは本音の生の声が聞けましたので、やってみて良かったなと感じております。
先進的窓リノベ2024事業もこれから盛り上がりを見せるでしょうから、どんな展開になるか引き続き当ブログでも発信を続けます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
アンケート内容につきましては、ご自由に引用してご活用ください。
引用元として、こちらの記事かトップページを記載してリンクして頂ければ結構です。