最近おうち時間が増えているかたが多いですが、まわりの騒音に悩まされていませんか?
またこちらは気にもしていなかった室内の音が、実は近所の人には耳障りで不快な音だったということも十分あり得ます。
実は内窓を取り付けるほかに、換気口を防音する方法があります。
なぜなら家から出入りする音は換気口を通してからも聞こえるからです。
この記事では内窓を取り付けた私が換気口からの音に気付き、測定し改善した様子を書きました。
結論は内外の騒音にはまず換気口に防音対策をすることが先決です。
さらに内窓を付けるとより遮音効果が高まります。
両方対策することで実際の測定数値も改善しました
窓の防音対策について株式会社Budscene代表の並木さんによるわかりやすい動画はこちらです↓↓
きっかけは内窓の防音効果を測定したことから
カタログの防音スペックに違和感を覚える
色々なメーカーのカタログを見ていると内窓を付けた時の防音性について言及されています。だいたい、
- 外の音→75〜80db(デジベル)
- 外窓→55db
- 外窓+内窓→40db
という感じで記載されていて、だいぶ騒音が軽減されそうなイメージが浮かんできます。
ただ実際のところ感覚的に小さくはなったがそこまでではないのでは?という疑問から検証が始まりました。
本当かどうか実際測りました
効果なし?測定結果がカタログのような数値にはならない
まず測定はスマホの騒音測定アプリにて行いました。
騒音計の購入も検討したのですが高い物は2万円!程度しますし、安い物を買って数値がデタラメでも困るので試しにスマホを複数台使いました。
案外スマホのマイクは優秀なのか近似値がとれたので、同じ場所・高さ・方向で数値を記録しました。(実際に計測したのは同じ1台に統一)
参考値として、うるさい音をいずれもすぐそばで計測
- 電子ピアノ音量最大の自動演奏モード→70db
- トラック冷凍機サブエンジン高速回転→75db
程度でした。両方周波数は違うのでしょうが長い時間近くにいたくない音量です。
我が家の前は交通量が少なく閑静な住宅街なのですが、内窓設置後に部屋から測定し、
外の音 | 外窓 | 外窓+内窓 | |
小雨の日 | 40db | 35db | 30db |
音が大きなバイクのアイドリング | 60db | 50db | 45db |
(バイクは動いていない状態)
このような数値で確かに気持ち小さくはなってはいるが大げさではないの?という印象でした。内窓をつけてもせいぜい5dbほど下がった程度です。
実は音漏れの原因は換気口だった
騒音の対策は窓まわりだ!という先入観から換気口をすっかり忘れていました。
さすがに外で大音量を撒き散らすわけにはいかないので、部屋の中から電子ピアノの自動演奏の音量最大で短時間試しました。
結果は室内70db→内窓閉めて外で測ると55dbという数値に。
内窓を閉めて部屋も玄関も閉め切り外に出たのですが、換気口からかなり音が出てきていました。
これでは内窓の防音性うんぬんとかそういう話ではないですね。
換気口の対策をした参考になる動画はこちら↓
なぜカタログのような数値にならないのか?
内窓を付けた後の防音効果が良くわかる動画はこちら↓↓
悪意があるわけではないとは思うのですが、JIS規定の試験結果がこのようなことを招いていると感じました。
簡潔に説明すると換気口もドアも押し入れもない2つの音漏れしない部屋の間に製品(内窓)を入れ、遮音性能を測るため実生活とは異なる環境で試験が行われているからです。
個人の感想ですが実際たしかだと思います
コインシデンス効果の影響もある
コインシデンス限界周波数はガラスの厚みによって変わる(厚くなるほど低くなる)ので、遮音目的で厚いガラスに変更しても、遮蔽したい騒音が変更したガラスのコインシデンス限界周波数付近の音だった場合、薄いガラスの方が遮音性能が高かった、ということも起こりえます。 引用:ガラス(窓)と防音1 - 基礎知識⎪中島硝子工業株式会社
内窓が防音に効果があまりないと感じるかたの中にはいわゆる「コインシデンス効果」により、騒音に感じるある一定の周波数をシャットアウトできていない場合が考えられます。
内窓で後悔しないように、まずは優先順位が断熱なのか防音・遮音なのかをはっきりさせてから対策をする必要があります。
防音対策にはガラスと内窓を目的に合わせて選ぶ
- 単板ガラスの厚さを増して重量を出す
- 複層ガラスの1枚ずつの厚さを異なるものにする(異厚ガラスを使用)
- 防音合わせガラスにする
- 真空ガラスを使う
など、予算と目的に合わせた対策を専門家に相談しましょう。
防音目的の内窓にはプロは「内窓プラスト」が気密がとれて良く、厚さのあるガラスも使えると皆さんおすすめしています。
内窓プラストについては別の記事で詳しく解説しました↓↓
実際に換気口を防音対策してみる
換気口のカバーを外すとそこは大空間
まさかこんなにダイレクトに穴が空いてるとは思っていませんでした。これは冬も寒いわけです。
※ただ換気のために必要な開口部で空間をふさぐことはダメなので、今回はここをどうやって音を小さくするか考えてみました。
建築基準法 第二十八条(居室の採光及び換気)2項
居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
出典:e-Govポータル
換気口の画像を検索していると今の主流?の換気口は丸型が多いようです。
丸型に合わせた防音スリーブや防音レジスター、防音フードなど内部の直径に合わせてさまざまな対策品が出ているので室内側からの作業で済む製品は気軽に取り付けられそうです。
室内側が角形でもその中が丸パイプになっているものも多いので、一度外してサイズ等を確認することをおすすめします。
↓防音スリーブ一例(サイズに注意!)
換気口のつくりや交換方法がよくわかる動画はこちら↓
換気フードの中を防音対策してみた
ど素人の私が見ても我が家の換気フードの形は音を集めて内外に拡散しそうな作りに感じます。
防音フードという物を購入して取り付けようかとも考えたのですがコーキングのきれいな打ち替えが私にはハードルが高く感じたので違う方法にしました。
ホームセンターを物色していると吸音材の「QonPET」(キューオンペット)なる商品を発見したので即購入。
水にも熱にも強く、裏面が粘着面になっているので短時間で付けられます。縦横30cmで厚さが4cm、換気口2つ分に使える大きさです。
少し厚さが違いますがネットでも購入できます↓
少額の費用で信じられないほどの測定結果が出る
最初はハサミでカットしていたのですが、少し大きめのカッターのほうがきれいに切れました。結構厚みがあるので注意が必要です。
途中でなぜかこれは多分効果ないなと思い適当に画像のように切ってしまいました。下に空間をあけ、換気の部分の空間はふさいではいません。
いざ実測、電子ピアノ音量最大で
取付前 | 内70db→外55db |
取付後 | 内70db→外45db |
予想が外れ明らかに変わり驚きました。音を最大にするのを忘れたと思い部屋に戻ったくらいです。
ここまで変化があれば騒音トラブルの予防にもなりそうです。
以上の結果からもわかるように防音対策には換気口・窓・室内ドアと総合的に考えないといけないですね。
新鮮な空気を測る
ビルの管理法における室内のCO2許容濃度は1000ppm、屋外が350ppmとされている(中略)現在の外気のCO2濃度は地球平均で400ppmまで上昇し、500ppmを超える地域もある。500ppmで計算すると必要新鮮空気量は約40㎥/h人で4人在宅時の必要換気量も160㎥に増える。CO2許容濃度を1500ppmとすることが現実的になってきている。
引用:エコハウス超入門 84の法則ですぐわかる 松尾和也
換気が大事なのはなんとなくわかるが、実際問題フレッシュな空気が部屋の中にどれくらいあるかは目で見れません。防音スリーブや換気口フィルターを付けた後、空気がきちんと入ってきているかも心配になります。
そこで活躍するのが二酸化炭素濃度計。私はネットでの口コミも良かった東亜産業のCO2マネージャーを購入。
かなり反応が良く、部屋にいる家族の人数の増減によってもリアルタイムで数値の変化がわかります。家族が集まる居間や就寝する寝室で数値を測るのがおすすめです。
換気口を閉めてみると、数値の上昇が見られました。
家の内部での音の問題もある
家の内外ではなく、主に家族間での生活時間の違いにより生じる問題です。
例えば夜勤で朝方寝る方がいる場合は朝の水回りやドアの音で起こさないように家族も気を使います。
このようなケースでは室内のドアを防音ドアにすることにより生活音をやわらげることができます。
本格的な仕様ではない簡易防音ドアでしたら安いもので本体5万円程度からあります。やすらぎの時間のために設置はどうでしょうか?
簡易防音ドアの一例↓↓
また、音楽をされるかた向けに防音室をつくる方法がありますが、
- 1畳程度の設置ブースで数十万
- 1部屋(6畳)丸ごとで数百万!
ほどかかるようです。
こだわるとすごいことになりますね…
まとめ:内窓設置時は換気口も一緒に防音対策を
この記事では内窓(二重窓)を設置した後の実際の生活においての遮音性をお伝えしました。窓以外の開口部も合わせて対策をしないと防音の観点からは不十分ということになります。
せっかく内窓を付けてあまり騒音が変わらなければがっかりするので、防音のために内窓を入れたいかたへの注意喚起としてこの記事を作りました。
個人での努力は限界があるので、騒音トラブルを抱えているかたは専門の業者さんに相談したほうが解決までの道筋が見えると思います。
2024年も高断熱窓リフォームに対して約半額になる過去最高の補助金制度が継続されています。こちらもぜひご覧ください↓↓
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