窓には「樹脂窓」が良いとは聞くが、いったい何年くらいの耐久性があるのだろうかと不安に思っていませんか?
実は樹脂窓は半永久的に使え、優れた断熱性能をもっているので省エネにつながります。
なぜなら>>実際に私が住んでいる北海道の築35年の家で、新築当時の樹脂窓が現役で使われているからです。樹脂フレーム部分に重大な劣化は見当たりません。
現在アルミ窓を使用されていて断熱で内窓などを検討されているかたも樹脂は優れた素材であり、家計にもやさしいことをご理解していただきたいです。
この記事では
- 樹脂窓の解説と見分けかた
- 樹脂窓の耐久性とメリットデメリット
- 樹脂製の内窓取り付け後の光熱費の変化
を中心に具体的に解説します。
この記事を読むと樹脂窓の効果や経済性を理解できます。
結論は窓には樹脂窓がコストパフォーマンスが高い。これからの省エネの時代には樹脂窓が最適解です。
樹脂窓についてわかりやすい対談動画はこちら↓↓
樹脂窓とは?素材や見分けかたについて
窓フレームの種類の解説
窓フレームの種類はおおまかに4種類あります。
- アルミ窓
- アルミ樹脂複合窓
- 樹脂窓
- 木製窓
の4種で価格は下にいくにつれ高くなります。
反対に、熱の伝わりやすさは下にいくにつれ伝わりにくいです。
ガラスもですがフレーム(窓枠)の性能も上げないと断熱性が悪くなります
窓フレームの性能値の解説
↑画像内の室外温度がマイナス4.4℃・室温23.7℃で窓枠の温度が
- アルミ樹脂複合窓→11.7℃(一番左端)
- 樹脂窓→16.5℃〜19.4℃(その他4つ)
で温度差がかなりあることがわかります。
材料名 | 熱伝導率(W/m・K) |
天然木材 | 0.12~0.19 |
PVC(塩化ビニル) | 0.17 |
鋼材 | 53 |
アルミニウム合金 | 200 |
主な建築材料の熱伝導率一覧表より/出典:家づくりを応援する情報サイト
窓枠にガラスを入れた全体での性能値はこれほど顕著にはなりませんが、アルミ窓が寒暖の熱を伝えやすいことは一目瞭然です。
※木材は使う種類により値に違いがあります
樹脂窓と洗濯ばさみの素材の違い
外で洗濯物を干す際に使う洗濯ばさみ、暑さや紫外線で数シーズン使うと壊れますよね。私は樹脂窓も同じ素材でできていると勘違いしていました。
どちらも同じプラスチックでは?
実際には洗濯ばさみはPP(ポリプロピレン)またはPE(ポリエチレン)でできており、
樹脂窓はPVC(ポリ塩化ビニルまたは塩化ビニル樹脂)でできています。素材が違うのです。
塩ビ樹脂はPE、PP、PSなどのオレフィン系汎用樹脂に比較し、引張り強さ、引張り弾性率、曲げ強さ等の機械的強度が高く剛性があり耐久性に富んでいるため、上下水道用のパイプや雨樋、樹脂サッシ等に用いられています。
引用:塩ビ工業・環境協会
樹脂窓とアルミ窓の見分けかた
コンコンと軽く手で叩いてみてプラスチックのような感じがするのが樹脂窓で、金属感があるのがアルミ窓です。
そうはいってもわかりにくいと思うので、判別方法を記載します。
見た目で判断する
繋ぎ目が斜めになっているフレームは住宅用で木製以外であれば樹脂窓です。
LIXILのお客さま相談センターに実際に聞いてみました。私もインプラスを購入したお客様?なので。
アルミで斜めにするとなると溶接をしなければいけないので、手間の部分でアルミ窓で斜めは通常考えられないようです。
一方樹脂でも引き違い窓は昔から縦の繋ぎ目が多いようです。強度と断熱性能が出せれば縦の繋ぎ目で問題なく、最近では縦の繋ぎ目タイプが多いそうです。
以上のことから着色された縦の繋ぎ目のフレームを見ただけでアルミか樹脂か判断するのは難しいです。
氷を使って判断する方法
暖かい日に氷をフレーム部分につけるとアルミの場合氷がすぐ溶けるのでは?と考え試してみました。外気温は27℃。玄関がアルミ製なので比較してみました。
樹脂の熱伝導率は、熱を伝えやすいアルミに比べて約1000分の1です。外気温の影響を抑えるので結露が生じにくく、カビ・ダニの発生を防ぐというメリットがあります。
引用:樹脂サッシ工業会
冷蔵庫から氷を取り出して同じタイミングで当ててみました。
樹脂フレームはしばらくしても氷は溶けません。氷を外してすぐ手を当てても驚くことに冷たくありません。
玄関のアルミ扉は10秒経たないうちに氷がダラダラと溶け、氷を外して手を当てるとアルミ缶同様に冷たさをすぐに感じました。
窓フレームの種類が樹脂かアルミの判別をしなければいけない機会はまず無いでしょうが…。
※追記:先進的窓リノベ事業のガラス交換では樹脂窓やアルミ樹脂複合窓である必要があります。
実験により樹脂窓が熱を非常に伝えにくいことが理解できました。
外窓がアルミ窓でも内窓に樹脂窓を入れれば断熱性が上がります。寒さだけではなく暑さも防げることになります。
樹脂窓の耐久性とメリットデメリット
内窓(樹脂窓)の劣化について
10年以上前から付いている内窓があるのですが全然目視では傷みがわかりません。きれいに拭けば昨年付けたと言ってもわからないレベルです。
基本的に内窓は雨風が当たらないのでそれも関係しているでしょうが、色の目立った変色も見当たりません。鍵をかければ気密が得られ、冬も断熱の役割を果たしてくれています。
内窓の欠点については別記事で詳しくまとめましたので、そちらをご覧ください↓↓↓
外窓(樹脂窓)劣化・割れについて
今付いているペアガラスの樹脂窓ですが当時としては高性能の品物だったようです。一応証拠として確認通知書を載せます。
北海道から採用されたようなので35年程度経過した樹脂窓の画像はあまり出回っていないかもしれません。
旭硝子(株)『旭硝子100年の歩み:伝統・創造・革新.資料編』(2007.09)年表より
昭和55年(1980)10月23日
・高性能ペヤグラス入り断熱窓「ハノーバーウインド」を北海道地区で販売開始
引用:渋沢社史データベース
紫外線の影響か多少黄ばんではいますが、使用には問題ありません。
厳しい北海道の冬で長年使用しても、割れや欠けは確認できません。
樹脂窓本体よりも先にレバーハンドルやクレセント錠、パッキン等の付属品に問題が発生すると思います。我が家もパッキンが劣化してきています。
樹脂窓のメリット
- 取り扱いやすく、ある程度の強度もある
- 耐久性に優れ、長期間の仕様でも劣化しにくい
- 断熱性に優れ、光熱費の節約につながる
樹脂窓のデメリット
- アルミ窓よりは強度が劣り、衝撃により割れや欠けの可能性がある
- 強度を保つために枠を厚くするため、アルミ窓より重くなる
- 価格がアルミ窓より高い
意匠性にこだわりがあり枠の厚さが嫌な場合はアルミ樹脂複合を選ぶことになります
木製窓の解説
後付けの内窓に木製は一部の製品がありますが、参考になるかたがいるかもしれないので画像を貼ります。
実家が道産子は知らない人がほぼいないあのメーカーの住宅です。
外アルミ窓1枚ガラス→真ん中木製窓2枚ガラス→内木製窓2枚ガラスの三重窓です。さすがに3回窓を開けるのはしんどい。
見た目は暖かみがある柔らかい印象で、木製のファンがいるのもうなずけます。
しかし、木製窓はこまめなメンテナンスが必須で年月の経過に伴い歪みも出てくるのでこだわりがあるかたにしかお勧めしません。
実家はノーメンテだったので近年は窓が重くなり、気密が悪くなり冷気も入ってくるようになったとのことです。(現在新築から28年経過)
素人には調整できません
北海道の二重窓事情についてはこちらの記事をご覧ください↓↓
樹脂製の内窓取り付け後の光熱費の変化
↑YKK APによる窓リフォームの冷暖房費の節約動画
2021年の12月から順々に3カ所樹脂製の内窓インプラスを取り付けました。3カ所目は2月に取り付け。
北海道は暖房は灯油ストーブを使っている家庭が多いです。我が家は暖房と給湯(お風呂とガス台)全て都市ガスを使っています。
ボイラーはエコジョーズを使用。暖房はファンコンベクターという器具から温風が出てくる仕組みで、感覚的には自動車の暖房が近いです。
契約している北海道ガス(北ガス)のサイトから過去2年分の毎月の使用量がわかるので、前年分と比較をしてみました。
単位料金は毎月異なるので金額ではなく使用量のみでの比較です。
←スマホでは左右にスクロールできます→
年度 | 合計 | 前年12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 |
2021年 | 1,105 | 178 | 293 | 220 | 200 | 139 | 75 |
2022年 | 1,042 | 168 | 275 | 194 | 183 | 156 | 66 |
2023年 | 1,026 | 178 | 252 | 221 | 187 | 122 | 66 |
ガス使用量の推移(単位:㎥)
※6〜10月の暖かい時期の平均使用量は30㎥程度
※暖房器具の設定温度や生活環境に変化なし
結果は5%以上使用量が減り、暖かい季節の2か月分をカバーできました。
内窓の設置箇所数によっても当然変わりますが一定の効果が現れる結果に。
まとめ:コスパの良い樹脂窓で快適生活に
この記事では
- 樹脂窓の解説と見分けかた
- 樹脂窓の耐久性とメリットデメリット
- 樹脂製の内窓取り付け後の光熱費の変化
を具体的に解説しました。各項目から長期間にわたり使用でき、経済性に優れた樹脂窓のコスパの良さがご理解いただけたはずです。
断熱性に優れたペアガラス(二重ガラス)を合わせて使いそれを内窓として既存の窓と組み合わせ空気層をつくるだけで、簡単にエコライフが実現します。
以上参考になれば幸いです。
>>内窓を付けたことによる結露と温度の変化はこちらの記事で紹介しました↓↓
最後までご覧いただき、ありがとうございます。