国土交通省・経済産業省・環境省3省合同の省エネ事業「住宅省エネキャンペーン2023」が始まりました。
特に高断熱窓を使ったリフォーム「先進的窓リノベ事業」が大注目です。
「こどもエコすまい支援事業」でも窓リフォームで補助金を使える支援がありますが、何が異なるかがパッと見ではわかりません。
そこでこの記事では簡潔にわかりやすく解説しました。
前提として当サイトは窓まわりの寒さや結露に悩んでいるかたに向けて解説していますので、新築については割愛しています。ご理解ください。
先に結論は、一番お得に窓断熱リフォームをするなら「先進的窓リノベ事業」を使う。
子育て対応改修やバリアフリー改修、玄関リフォーム等ついでに工事をしたい部分があれば「こどもエコすまい支援事業」を併用する。
なぜなら「こどもエコすまい支援事業」を使うには「必須」の断熱工事をしなければ「任意」の子育て対応改修等の改修工事ができないため。
逆に「先進的窓リノベ事業」を使っていれば「必須」工事が済んでいることになり、「こどもエコすまい支援事業」の合計補助額が2万円以上(通常は5万円以上)で申請が可能になるからです。
窓と一緒にお得にリフォームを
※給湯器の入れ替えを検討のかたは「給湯省エネ事業」の制度もあります。
お得な補助金制度のわかりやすい解説動画はこちら↓↓
「こどもエコすまい支援事業」と「先進的窓リノベ事業」の違い

「こどもエコすまい支援事業」について詳しく動画で知りたいかたは国土交通省【公式】のYouTube動画をご覧ください。長いので倍速で見るのがおすすめです↓↓
また、「先進的窓リノベ事業」について詳細は記事を書いていますのでこちらをご覧ください↓↓

「先進的窓リノベ事業」の熱貫流率の基準値
熱貫流率とは簡単に言うと熱の伝わりやすさになります。数値が大きい方が伝わりやすく、小さい方が伝わりにくいです。
「先進的窓リノベ事業」では中高層集合住宅(マンション)の外窓交換以外では熱貫流率の数値が『1.9以下』でなければいけません。
内窓や外窓の交換をする際は事業に登録された性能値の高い製品を使う必要があります。
「こどもエコすまい支援事業」の熱貫流率の基準値
一方、「こどもエコすまい支援事業」では地域や分類の差で熱貫流率の基準値が異なります。
ZEHレベルと省エネ基準レベルの2つの分類がありますが、次の基準値になります。(ZEHレベルはZEH住宅でなくても良い)
分類 | 建て方 | 1〜2地域 | 3地域 | 4地域 | 5〜7地域 |
ZEHレベル | 戸建 | 1.9 | 1.9 | 2.3 | 2.3 |
共同 | 1.9 | 2.3 | 2.9 | 2.9 | |
省エネ基準レベル | 戸建 | 2.3 | 2.3 | 3.5 | 4.7 |
共同 | 2.3 | 2.3 | 3.5 | 4.7 |
※8地域は日射熱取得率が0.52以下(窓およびドア)、または0.65以下(ガラス)→Low-Eガラスになります。
※お住まいの地域がどの地域区分に当たるかは>>【公式サイト】の我が家の断熱窓検索からわかります。
あえて窓の断熱リフォームでこどもエコすまいを選択する必要はないと思いますが、今回の制度は3省連携のワンストップ制度ですので開口部が異なれば使う制度が違っても大丈夫。(リフォーム事業者がそれぞれの事業に登録していることが前提です)
つまり、リフォーム箇所が先進的窓リノベの基準値以下でもこどもエコすまいの制度を使える場合がある。これを覚えていただければ補助金の取りこぼしを防げます。
窓断熱リフォームの補助額の違い
分類があったり、大きさや工事の種類によって事細かに金額も分かれているのでわかりにくいですが、ざっくりまとめると以下の表の金額になります。
それぞれ上段(背景:薄い赤)が先進的窓リノベ、下段(背景:白)がこどもエコすまいになります。
※スマホで見る時はスクロールできます
大 | 中 | 小 | |
内窓(1箇所) | 69,000〜124,000 | 47,000〜84,000 | 30,000〜53,000 |
23,000〜31,000 | 18,000〜24,000 | 15,000〜20,000 | |
外窓(1箇所) |
102,000〜183,000 | 76,000〜136,000 | 51,000〜91,000 |
23,000〜31,000 | 18,000〜24,000 | 15,000〜20,000 | |
ガラス交換(1枚) | 26,000〜48,000 | 17,000〜30,000 | 4,000〜8,000 |
9,000〜12,000 | 6,000〜9,000 | 3,000 |
(単位:円)
※先進的窓リノベの中高層以上集合住宅の外窓交換は少し金額が上がります
※玄関ドア交換はこどもエコすまいのみ対応(30,000〜45,000円)
上段の先進的窓リノベの補助金額がいかに大きいかがわかります。
「こどもエコすまい支援事業」の対象者と期間
リフォームの補助事業の内容は昨年終了した「こどもみらい住宅支援事業」と一部異なっています。耐震改修がなくなり、防災性向上改修が加わっています。
金額も一部数千円程度増額しています、興味があれば前回の制度と比較してみてください。
こちらが前回の制度の記事になります↓

対象者
対象者は以下の2つを満たすこと。
- こどもエコすまい支援事業に登録されたリフォーム事業者等と工事請負契約を締結、補助金の受取に関する取決め(共同事業実施規約)を締結する
- リフォームする住宅の所有者等であること
期間
- 工事請負契約日の期間→契約日は問わない。着工までに締結された工事請負契約
- 着工日の期間→2022年11月8日〜交付申請まで(遅くとも2023年12月31日)
- 補助金の交付申請期間→2023年3月下旬〜予算上限に達するまで
- ※9月14日現在、申請割合は95%で終了が間近です。利用を検討されている方は十分注意してください。
- ※当初の予算より209億円増額されています。(グラフには反映済み)

「こどもエコすまい支援事業」のリフォーム対象工事

「必須」の工事①②③どれかを必ずしなければこの制度は使えません。
ただし、「先進的窓リノベ事業」を使っていれば「必須」工事をしたことになり、同時に「任意」の工事④⑤⑥⑦⑧をすることができます。(合計補助額が2万円以上で可能)
要は「先進的窓リノベ事業」を使う時についでにやりたいリフォームがあればそちらも一緒に工事ができて補助金もでる、ということです。(窓の断熱リフォームをしたい側の立場で書いています)
リフォームの補助額上限は30万円です。しかし、住宅を購入しリフォームを行う場合や、子育て世帯または若者夫婦世帯は最大で60万円までの上限補助額になります。
該当しそうなかたは>>こちらの説明資料の11ページ目をご覧ください。
必須の工事内容
①開口部の断熱改修

補助金の概算は先ほどの表の背景が白い部分の金額になります。
②外壁、屋根、天井又は床の断熱改修

こちらも分類や断熱材の種類により断熱材の使用量が変わり、補助額も変わります。
詳細は>>説明資料の15、16、17ページですが、金額は
- 外壁が112,000〜151,000円/戸
- 屋根・天井が40,000〜54,000円/戸
- 床が69,000〜92,000円/戸
になり、部分断熱の場合はおおよそ半額になります。
③エコ住宅設備の設置

太陽熱利用システム | 27,000円/戸 |
高断熱浴槽 | 27,000円/戸 |
高断熱給湯器(エコジョーズ等) | 27,000円/戸 |
蓄電池 | 64,000円/戸 |
節水型トイレ(掃除しやすい) | 20,000円/台 |
節水型トイレ(上記以外) | 19,000円/台 |
節湯水栓 | 5,000円/台 |
窓の工事と一緒にやりたいリフォームがあれば、この機会にいかがでしょうか?
任意の工事内容
必須工事か「先進的窓リノベ事業」を使うことが前提で任意の工事を選べます。
④子育て対応改修(ⅰ)家事負担の軽減に資する設備の設置

ビルトイン食器洗器 | 21,000円/戸 |
掃除しやすいレンジフード | 11,000円/戸 |
ビルトイン自動調理対応コンロ | 14,000円/戸 |
浴室乾燥機 | 21,000円/戸 |
宅配ボックス(住戸専用) | 11,000円/戸 |
宅配ボックス(共用) | 11,000円/ボックス |
詳細は>>説明資料の21ページをご覧ください。
④子育て対応改修(ⅱ)防犯性の向上に資する開口部の改修
- 外窓交換は20,000〜34,000円(1箇所)
- ドア交換は35,000〜49,000円(1箇所)
それぞれ施工箇所数の補助額になります。詳細は>>説明資料の22ページです。
※注意点は、断熱性能・防犯(又は防災)性能の両方を満たす場合、補助額は合算ではなく高い方の補助額が適用されるところ。
1箇所につきもらえる補助金も1種類
④子育て対応改修(ⅲ)生活騒音への配慮に資する開口部の改修
- ガラス交換は3,000〜9,000円(1枚)
- 内窓設置・外窓交換は15,000〜23,000円(1箇所)
- ドア交換は30,000〜34,000円(1箇所)
こちらもそれぞれ施工箇所数の補助額になります。詳細は>>説明資料の23ページです。
※注意点は、断熱性能・遮音性能の両方を満たす場合、補助額は合算ではなく高い方の補助額が適用されるところ。
④子育て対応改修(ⅳ)キッチンセット交換を伴う対面化改修
- 補助額は89,000円/戸
詳細は>>説明資料の56ページです。
⑤防災性向上改修

- ガラス交換は6,000〜15,000円(1枚)
- 外窓交換は15,000〜37,000円(1箇所)
詳細は>>説明資料の25ページです。
⑥バリアフリー改修

こちらは何箇所工事をしても1戸分のみの補助額になります。
詳細は>>説明資料の26ページです。
手すりの設置 | 5,000円/戸 |
段差解消 | 6,000円/戸 |
廊下幅等の拡張 | 28,000円/戸 |
衝撃緩和畳の設置 | 18,000円/戸 |
⑦空気清浄器・換気機能付きエアコンの設置
こちらは冷房能力に応じ設置台数分の補助額になります。
- 冷房能力に応じ、19,000〜25,000円/台
詳細は>>説明資料の28ページです。
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
- 7,000円/契約
詳細は>>説明資料の29ページです。
具体的な製品を使っているこちらの動画がイメージしやすくご覧いただけます↓↓
まとめ:補助金をお得に併用して賢くリフォームを!
この記事では
- こどもエコすまい支援事業
- 先進的窓リノベ事業
2つの事業の補助金を併せて使える内容を簡潔に説明しました。
あまり難しく考える必要はありません。窓のリフォームの現地調査の時に
〇〇もリフォームしたいけど補助金使えますか?
と確認をすれば良いだけです。あとは事業に登録されたリフォーム事業者等が対象製品を調べてくれます。
どこに見積もりを取れば良いか迷ったらこちらの記事もぜひご覧ください↓↓

最後までご覧いただきありがとうございました。